「14歳からの資本主義」に学ぶ|内容・感想

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いま私たちが生きる資本主義社会とは改めてどんな世界なのか?

それを知りたくて手に取った一冊でした。

今回はこの本から学んだ資本主義についてのあれこれと、著者である丸山俊一さんの書かれた想いを、学びの記録として個人の見解も交えながらまとめていきます。

目次

資本主義ってナンだ?資本主義を定義する

「資本主義ってなんですか?」

こう質問したときに、大人たちがしどろもどろになるのも仕方がないほどに、資本主義を定義し、その一番本質的な部分をつかまえるのが難しい時代だと述べられています。

そのうえで、本書では「資本主義」と、その比較としてよく用いられる「社会主義」について、このように定義されていました。

「資本主義」は、市場で多くの人々の自由な意思によって売買が行われ、富が分売されていく社会です。

「社会主義」は、計画経済とも呼ばれ、社会全体で必要な物資の量、その分配を、中央の政府がまとめて計画するというものでした。

「資本主義どうなるの?」世界の「知性」たちからのコトバ

挿絵がかわいい、、

チェコでかつて社会主義を経験し、ユニークな視点を持つことで知られる経済学者のトーマス・セドラチェクはこのように述べています。

いまの世界は資本主義か、それとも〝成長〟資本主義か。僕は〝成長〟資本主義だと思っている

みんな成長のことばかり気にしている。成長できなかったら「もう終わりだ!」ってね。おかしいだろう?どこに書いてある?聖書に?空に?数学モデルに?過去に証明されたのか?

ノーだ。資本主義が必ず成長するというのは、単なる思いこみだ。成長に反対なわけじゃない。いい天気がいやなはずがないだろう。問題は、社会、年金、銀行・・・すべて成長が前提になっていることだ

まるで毎日快晴だと決めつけて船を造るようなものだね。そんな船はダメだ。凪でも嵐でも航海できるのがいい船だろう。そりゃ、天気がいいに越したことはない。でも、それを前提にして船を造ってはいけない。

(トーマス・セドラチェク)

今日の資本主義の問題は、問題があるはずなのに問題にされていないことなのかもしれない。

言いかえれば、資本主義はなんとか機能しているけれど、なぜそれが機能しているのか、実はあまりよくわかっていないのだ。

私たちは、「資本主義はそこそこには機能するけれど、完璧には機能しないものだ」ということを心に留めておくべきだ。

資本主義がいま、どんな状況にあるか、誰にも確実なことは言えないはずなのだから。

もしかしたら世界はすでに崩壊しているのかもしれない。

(トーマス・セドラチェク)

ノーベル経済学賞を受賞した、アメリカの経済学者ジョセフ・スティグリッツはこのように主張します。

貧困層から富裕層へと富は吸い上げられ、富裕層は貧困層に比べ、お金を使わない。

これが全体の需要を押し下げ、成長にブレーキをかけているのだ。

(ジョセフ・スティグリッツ)

経済成長について話すときは、「成長」の意味をはっきりさせないといけない。GDPは経済力を測るにはいい指標とは言えない。

環境汚染、資源乱用を考慮に入れていないし、富の分配も社会の持続性も考慮されていない。問題だらけだ

(中略)

変化を起こすには政府の政策が必要だ。

「テクノロジー」や「インフラ」や「教育」にもっと投資をしないといけない。

地球の気温を2度も上昇させてしまったことで、多くの投資が必要になっている。

経済を整え、新エネルギーに移行し、都市構造を変える。私たちには巨大な需要があるはずだ。

(ジョセフ・スティグリッツ)

社会を大きくとらえるセンスを持っていた、20世紀の経済学者で思想家のヨーゼフ・アロイス・シュンペーターは次のような刺激的な言葉を残しています。

資本主義は、成功する。だが、その成功ゆえに、自ら壊れる。

(ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター)

資本主義の存続を願いながらも考察を続けるシュンペーターは、社会主義の可能性についても次のように述べています。

社会主義は、ただひとつの形態だけで規定されているのではない、ということを忘れてはなりません。

(中略)

なぜなら、私たちは、社会主義について語るとき、マルクス的な社会主義以外に、他の社会主義が存在することを、すっかり忘れているからです。

(ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター)

資本主義の長所はこんなところ

自由にものを売り買いできる資本主義社会では、競争が生まれることによってより良いテクノロジー、より良いサービス、より良い商品が生み出されます。

また〝お金さえあれば〟誰もが同じものを買えるというドライさこそが、ある意味すばらしさなのではないかと、本書では述べられています。

お金ではなく信用が大切だ、と言えば一見美しい話に聞こえるものの、一度その関係が崩れると自らの首を絞めることになりかねません。

いまの社会の問題ってなんだろう?

自由なモノの売り買いにより競争が生まれることで、社会が成長していくと考えられてきた資本主義社会。

一見うまくいきそうに思えるこの仕組みにはどんな問題があるのでしょうか?

アメリカの経済学者であるジョセフ・スティグリッツは「環境汚染、資源乱用を考慮に入れていないし、富の分配も社会の持続性も考慮されていない。問題だらけだ。」と資本主義の問題について厳しく指摘しています。

「格差」と「分断」を生む

日本、アメリカ、ヨーロッパなど先進諸国での「成長」が止まったことによって「格差」が広がり、富める人と貧しい人の差は「分断」といわれる状況になりました。

その原因に世界が市場でつながった「グローバル化」があると考えた人たちの支持により、アメリカでは移民の排除を推進するトランプ大統領が生まれたといわれています。

根本にあるのは「グローバル化」だけでなく、テクノロジーの発展によるAIや人工知能の問題もあるのではないかと考えられています。

「手段」と「目的」が逆転してしまう

資本主義は本来、市場という場で買い手も売り手も自由に活動できるための「手段」でした。

それがいつしか、資本主義によって成長することを“絶対必須条件”だと信じるようになり、「手段」だった資本主義という社会のかたちは「目的」へとすり替わることで、わたしたちを“不自由”にしていることについて考えるべきだと、述べられています。

あらゆる物が商品になる危険性

モノ消費からコト消費、そして今は「ココロ」や「共感」が商品になる時代だといわれています。

たくさんの商品が溢れ、自由に売り買いすることができる現代では「付加価値」と「差別化」こそが基本の戦略であり、その考え方の先に生まれるのは「差異さえあれば商品になる」という思考だと述べられています。

倫理性が問われるようなもの、極端な例では“臓器売買”から、エンタメとしての誰かの“人生”までもが、買いたい人がいればどこまでも「商品」になり得る現象の行き着く先、そしてその危険性はあまり考えられていないといいます。

「市場の自由を阻害する」ことなく、その可能性にバランスある歯止めをかけることは、非常に難しいようです。

資本主義社会で生きるうえで、忘れてはいけないこと

ここまで資本主義について定義したり、世界の知性を持った方たちの言葉をヒントにしながら、「資本主義とはなにか?」について考えてきました。

ここで改めて忘れてはいけないこと、気をつけるべきことについて本書で紹介されていた3点を記しておきます。

大きく問題を捉えたら、次はその本質に目を向ける

「成長」か「安定」か?「資本主義」と「社会主義」など、ひとまず単純化して、二者択一にして考える“二元論”は、頭を整理するには大切な思考法ですが、さらに大切なのはその単純化した図式の間にある、本質やさまざまな選択肢の可能性を探ることだと述べられています。

未来のことは誰もわからない、という前提で行動する

フランスを代表する経済学者であり、思想家のダニエル・コーエンは

予測するのは本当に難しい。その理由は単純だ。

企業が成功するかどうかは、キリンの進化と同じように、結果を見るまで誰にもわからない

これはシンプルな教訓だ。

と述べています。

世間では未来を予測する情報が溢れていますが、私たちが未来を予測する能力には限界があるということを認めて、それを前提に行動する、情報を受け取る、正しく恐れることが大切です。

「エビデンス」「数値」「効率」だけに捉われない

エビデンスに基づき「論理的に破たんがないこと」が時代の価値観としてとにかく優先され、「数値」や「効率」を求めてそこにみんなが飛びつく。

そんな枠の中で正解探しをすることは、視野を狭め、状況が部分的にしか見えなくなってしまい、必要以上に、過剰に、状況に適応してしまう、その結果自分で自分の首を絞める自縄自縛になると述べられています。

こうした連鎖による悪循環に陥らないためにも、少し身をずらして、俯瞰でものごとを見るクセ、一度立ち止まって、ぼんやりと考えてみることが大切です。

「14歳からの資本主義」に学ぶ|感想まとめ

私たちの今生きる社会「資本主義」について学びたいと思ったのは、それを知らずに生きていくということは、この世界で戦うことができないと思ったからでした。

バスケのルールを知らないまま、バスケの試合にのぞむようなもので、勝ち目がないどころか話にならないんだな気がつきました。

数年前までは、何も知らずに脳内お花畑で、楽しいことだけして生きていければその方がシアワセなんだとぼんやり考えていたように思います。

今でもそれは一理あるなぁ、知らない、考えない方が楽だよなぁ、なんて思うことは多いのですが、ここ数年で「守りたいものを守って生きていけるようになりたい」そんな風に思うようになり、学んだからといって全てを守れるわけではありませんが、せめて「知らないうちに、大切なものを傷つけないように」そんな風に思っています。

それは保護猫のフジ、ごてんと暮らすようになったこと、結婚してこれから子供を産むことがあるかもしれないと考えるようになったからだと思います。

「14歳からの資本主義」というテーマで、おバカな私にも理解できるかなーと思い手に取りましたが、これがちょっと難しかった(笑)

挿絵や語り口でかなり読みやすく工夫されている素敵な本なのですが、なんせ情報量が多くて何度も読む必要があるなと感じました。

この本を読む中でも「で、どうゆうこと?」なんてすぐに答えを聞きたくなるのですが、最後まで読んでみて、「確かな答えなんてない、だから自分の無知や能力の限界を理解したうえで、正しく恐れ、いつもいい精神状態で考え続けることが大切だよ」そんな風に教えてくれているように感じました。

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Asumi
自然と動物、食べること、学ぶこと、クリエイティブが好きです。
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